中性脂肪を下げるオメガ3(DHA・EPA)の力 ─ 薬剤師が徹底解説!!

薬剤師のとだ先生

こんにちは、薬剤師のとだです。
健康診断で「中性脂肪が少し高めですね」と言われた経験はありませんか?
食事や運動の見直しが大切なのはもちろんですが、脂質の“質”そのものを整える方法があることはあまり知られていません。
そのカギを握るのが、青魚に豊富に含まれる オメガ3脂肪酸(DHA・EPA) です。
近年、これらの脂肪酸が血中中性脂肪を穏やかに低下させることが多くの研究で報告されています。

この記事の「結論」!!

・ オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、血中中性脂肪を下げる作用が科学的に確認されている

・ 日常的に摂ることで、血液中の脂質バランスを穏やかに整え、健やかな巡りをサポートする

・ 吸収性・酸化対策・続けやすさに優れたサプリメントを選ぶことが大切

目次

1.なぜ中性脂肪が上がるのか

中性脂肪(トリグリセリド)は、エネルギー源として欠かせない一方で、過剰になると動脈硬化の原因となります。
上昇の背景には、主に以下の要因があります。

  • 糖質・アルコールの摂りすぎ(肝臓での脂質合成促進)
  • 運動不足による脂肪燃焼低下
  • ストレスや睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ

これらによって、肝臓では「VLDL(超低比重リポタンパク)」という脂質の運搬体が過剰に作られ、血中の中性脂肪が上昇します。その結果、血液が“ドロッ”とした状態になりやすくなるのです。
つまり、“作られすぎ”と“使われなさすぎ” の両方が中性脂肪高値の原因なのです。

2.オメガ3が中性脂肪を下げるメカニズム

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、肝臓での脂質代謝を調整する働きを持ちます。

主なメカニズムは以下の3つです。

  1. 脂質の合成を抑える  :オメガ3は肝臓での脂肪酸合成酵素を抑制し、新たな中性脂肪の生成を減らします。
  2. 脂肪の分解を促進する :PPARαという受容体を活性化し、脂肪酸のβ酸化(エネルギー化)を高めます。
  3. VLDLの分泌を抑制する:血中に放出される中性脂肪を減らし、血液中の脂質濃度を穏やかに低下させます。

実際、複数の研究でオメガ3摂取により血中中性脂肪値が有意に低下したことが報告されています【1】【2】。

こうした作用は多くの臨床研究でも確認されており、代表的な「JELIS試験」では、EPA摂取により、心血管イベントが有意に減少したことが報告されています【3】。

また、米国心臓協会(AHA)のレビューでも、オメガ3が高トリグリセリド血症の管理に有効であると明記されています【4】。

さらに、分子レベルではオメガ3が炎症や脂質代謝に関与する遺伝子発現を調節することも知られています【5】。

このように、オメガ3は分子レベルから臨床まで一貫して「脂質を整える」働きを持つことが確認されています。

3.どんなサプリメントを選ぶべきか

オメガ3脂肪酸の中性脂肪低下作用は、複数の臨床研究で再現性をもって示されています。
つまり「きちんと摂れば確かに効く」ことは科学的に裏づけられています。・・・とはいえ、日常的に魚を十分な量食べ続けるのは難しいもの。「では、どんな形で、どんな製品を選べばいいのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

オメガ3は、摂取量だけでなく吸収効率や酸化への強さ、そして継続しやすさが重要です。
ここでは、毎日の健康維持に役立つサプリメントを選ぶためのポイントを整理します。

① DHAとEPAのバランス

DHAは細胞膜の柔軟性を保ち、EPAは血流を改善します。
両方をバランスよく配合したサプリメントが、血液脂質の“質”を整える上で理想的です。

② 吸収率と酸化対策

オメガ3は酸化しやすい脂質です。
窒素充填・アルミパウチ包装・アスタキサンチン配合など、酸化対策を施した製品を選びましょう。
また、リン脂質型DHAや中鎖脂肪酸(MCT)配合は吸収効率が高く、体内に無駄なく届きます。

③ 続けやすい設計

1日1〜2粒で摂れる小粒タイプ・無臭カプセルなら、毎日無理なく続けられます。
継続することで、血液の脂質バランスが少しずつ整っていきます。

参考論文

1.Balk EM, et al. Effects of omega-3 fatty acids on serum markers of cardiovascular disease risk: A systematic review. Atherosclerosis. 2006.

2.Wei MY, et al. Long-chain omega-3 fatty acids and triglycerides: dose-response meta-analysis. JAMA. 2021.

3.Skulas-Ray AC, et al. Omega-3 Fatty Acids for the Management of Hypertriglyceridemia. Circulation. 2019.

4.Yokoyama M, et al. Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolemic patients (JELIS). Lancet. 2007.

5.Calder PC. Mechanisms of action of (n-3) fatty acids. J Nutr. 2012.


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