薬剤師のとだ先生こんにちは、薬剤師のとだです。
クリルオイルの赤いカプセルを見て、「なぜ魚のオイルなのに赤いの?」と思ったことはありませんか。
一般的なクリルオイルの赤色は、主に南極クリルが自然に持つアスタキサンチンに由来します。
回は、クリルオイルが赤い理由と、アスタキサンチンとの関係を分かりやすく解説します。
1.クリルオイルの赤色は、主に天然のアスタキサンチン由来
2.アスタキサンチンは、海の生物に赤色を与えるカロテノイド
3.DHA・EPA、リン脂質、アスタキサンチンを一緒に含む独自の構成
クリルオイルが赤い理由
クリルオイルは、南極海などに生息する小さな甲殻類「クリル」から抽出されるオイルです。
一般的な魚油は黄色や透明に近い色をしていますが、クリルオイルは赤色から赤褐色をしています。この特徴的な色を作っているのが、クリルに含まれるアスタキサンチンです(※1)。
アスタキサンチンは、赤色から赤橙色をした天然色素の一種です。サケの身が赤いことや、エビやカニ、ロブスターなどが赤く見えることにも関係しています(※1)。


自然界では、アスタキサンチンは主に微細藻類などによって作られます。それをクリルなどの海洋生物が取り込み、さらに食物連鎖を通じてサケなどの魚にも蓄積していきます。
つまり、クリルオイルの赤色は単なる見た目の特徴ではなく、海の食物連鎖の中で蓄えられた天然成分の色なのです。
アスタキサンチンとは
アスタキサンチンは、カロテノイドと呼ばれる天然色素の仲間です。カロテノイドには、ニンジンに含まれるβ-カロテンや、トマトに含まれるリコピンなどがあります。


アスタキサンチンは、その中でも「キサントフィル類」に分類される脂溶性の成分です。特徴的な分子構造を持ち、酸化反応に関わる活性酸素やフリーラジカルに作用する抗酸化成分として研究されています(※2)。
DHA・EPAは、体にとって大切なオメガ3脂肪酸である一方、複数の二重結合を持つため酸化しやすい性質があります。
クリルオイルには、そのDHA・EPAと一緒にアスタキサンチンが自然に含まれています。この組み合わせが、クリルオイルならではの特徴の一つです。
実際に、クリルオイルを保存した研究では、酸化を示す指標が上昇する一方で、アスタキサンチンの量と赤い色が減少したことが報告されています。クリルオイルの赤色とアスタキサンチン、酸化状態には密接な関係があると考えられます(※3)。
ただし、アスタキサンチンが入っていれば、クリルオイルがまったく酸化しないという意味ではありません。光や熱、高温多湿を避け、製品に記載された方法で保管することも大切です。
赤い色だけではないクリルオイルの特徴
クリルオイルの魅力は、赤い色だけではありません。
クリルオイルには、主に次の成分が一緒に含まれています。
・DHA
・EPA
・リン脂質
・アスタキサンチン


クリルオイルでは、DHA・EPAの一部がリン脂質と結びついた形で存在しています。さらに、天然のアスタキサンチンも同じオイルの中に含まれているため、単にDHA・EPAだけを補うオイルとは異なる構成を持っています(※4)。
クリルオイルを選ぶときは、赤さだけで判断するのではなく、
・DHAとEPAの含有量
・リン脂質の含有量
・アスタキサンチンの含有量
・遮光性や密封性などの包装
・無理なく続けられる粒数やサイズ
まで確認したいところです。
クリルオイルの赤色は、見た目を華やかにするためだけのものではありません。
その赤色の中には、DHA・EPA、リン脂質、アスタキサンチンを一緒に含む、クリルオイル独自の個性が表れています。
参考論文
※1 Stachowiak B, Szulc P. Astaxanthin for the Food Industry. 2021.
※2 Pereira CPM, et al. Antioxidant and anti-inflammatory mechanisms of action of astaxanthin in cardiovascular diseases. 2020.
※3 Zeng XB, et al. Mechanism of discoloration of Antarctic krill oil upon storage. 2024.
※4 Attri N, et al. Health promoting benefits of krill oil: mechanisms, bioactive compounds, and applications. 2024.














