薬剤師のとだ先生こんにちは、薬剤師のとだです。
EPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸のひとつ。
「中性脂肪を下げる」「血液サラサラ」という印象が強いですが、実は 働き世代(30〜60代)の“パフォーマンス・ストレス・心血管”の要となる成分 でもあります。
本記事では、EPAの効果を裏付ける代表的エビデンスを厳選して解説します。
この記事の「結論」!!
・ EPAは“血流・炎症バランス”を整え、働き世代の疲れ・だるさ・集中力に関係。
・ 大規模臨床研究で心血管リスクの低減が確認されている。
・ メンタル安定や気分のサポートに役立つ報告も増えている。
1.EPAとは? ― “血液と炎症”を整えるオメガ3
EPAは、体内で以下の働きを持つことが知られています。
- 血液の流れをスムーズにする(血小板凝集を抑える)
- 炎症性物質の産生を抑える(抗炎症性エイコサノイド)
- 中性脂肪を減らす
働き世代はストレス・食事の偏り・運動不足により、
血流・炎症・脂質バランスが乱れやすい年代です。
EPAは、そうした“現代の負荷”を調整するのに最も相性の良い脂肪酸と言えます【1】。
2.EPAの代表的エビデンス
■ 心血管イベントを減らす「JELIS試験」
EPAのエビデンスといえば最も有名なのが JELIS試験(2007年)。
日本人約18,000人を対象とした大規模臨床研究です。
⮕ EPA摂取群で心血管イベントが19%減少【2】
特に
- 中性脂肪が高い
- HDLが低い
など「心血管リスクが高い層」で効果が強く、
働き世代にも直結する内容です。
■ 中性脂肪の低下
EPAは、中性脂肪を下げる作用が最も強く確認されています。
複数の臨床研究により、
⮕ 中性脂肪の20〜30%低下 が報告されています【3】。
働き世代で増えやすい
- 飲酒
- 夜食
- 運動不足
による“脂質の乱れ”に対して非常に有効です。
■ メンタル・気分の安定
意外に知られていませんが、EPAはメンタルの安定にも関わります。
うつ症状に対するオメガ3のメタ解析では、特に EPA含有比が高い製品ほど改善効果が大きかった と報告されています【4】。
EPAは炎症を抑える作用が強いため、「炎症性ストレス → 気分の落ち込み」という経路に対してプラスに働くと考えられています。
3.働き世代がEPAを取り入れるメリット
EPAを摂ることで、働き世代の以下のような課題をサポートできます。
◎ 血流が改善 → “頭が冴える状態”を維持
血液がサラサラになることで、脳への酸素供給がスムーズに。
午後のだるさ・重さの軽減に役立ちます。
◎ 炎症性ストレスを抑え、疲れにくくなる
仕事・睡眠不足・食事の乱れで炎症反応が高まると、
集中力・気分・身体の重さに直結します。
EPAはこの炎症性の負荷を減らす働きがあります【1】【4】。
◎ 中性脂肪ケアで生活習慣リスクを軽減
働き世代で増える「隠れ脂質異常」の改善に非常に有効です。
JELISでも確認された通り、心血管の健康維持に直結します。
参考論文
1.Calder PC. Omega-3 fatty acids and inflammatory processes. Biochem Soc Trans. 2017.
2.Yokoyama M, et al. JELIS Study Group. Effects of EPA on major coronary events. Lancet. 2007.
3.Bays HE, et al. Fish oils and omega-3 fatty acids in hypertriglyceridemia. Am J Cardiol. 2008.
4.Liao Y, et al. Efficacy of omega-3 PUFAs in depression: A meta-analysis. 2019.













