DHAとメンタル(気分) ─ “心を整える脂”がもたらすエビデンス

薬剤師のとだ先生

こんにちは、薬剤師のとだです。
「最近、気分の波が大きい」「なんとなく集中できない」「イライラしやすい」――
こうした“メンタルの揺らぎ”を感じたことはありませんか?
実は、その裏側には脳や神経の“膜”を構成する脂質バランスの乱れが関係しているかもしれません。
その鍵となる脂質のひとつが、青魚に豊富に含まれる DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHAは、脳・神経・網膜だけでなく、気分・ストレス・集中力にまで影響を及ぼす可能性が、
近年の研究で示され始めています。

この記事の「結論」!!

・ DHAは神経細胞の働きを整え、気分の安定に関わる重要な脂肪酸。

・ 研究では、オメガ3(DHA+EPA)が気分の落ち込み・ストレスに役立つ可能性が示されている。

・ 継続して摂ることで、日々の“心の揺らぎ”を穏やかに保つサポートになる。

目次

1.DHAがメンタルに関わるメカニズム

DHAは神経細胞の膜に豊富に存在し、メンタルの安定に影響する脂肪酸です。

脳内の炎症・酸化ストレスを抑える
 DHAは炎症性シグナルを抑え、ストレス耐性を高める可能性が示されています【1】。

膜の柔軟性を保つ
 DHAが多い細胞膜は柔らかく、神経伝達がスムーズになります【1】。

神経伝達物質の調整
 セロトニン・ドーパミン・GABAなどの働きを支える膜環境を整え、
 “気分の安定”に寄与します【1】。

2.研究・エビデンスの実際

● 臨床研究

・ 重度うつ病患者の症状改善を示したランダム化試験
 オメガ3群で症状が有意に改善したという報告があります【2】。

・ 出産期うつ病のメタ解析
 EPA比率の高いオメガ3がうつ症状軽減と関係し、DHAも重要な構造的役割を持つとされた報告があります【3】。

● メタ解析

・ EPA+DHAの組み合わせが、DHA単独より効果が高いと示されたレビュー【4】

・ 1g/日程度のオメガ3摂取でうつ症状改善が確認されたメタ解析【5】

3.日常のメンタルケアに取り入れるには

① DHA+EPAを組み合わせて摂る

EPAが炎症を抑え、DHAが神経膜を整えるため、バランス摂取がもっとも効果的【5】。

② 8〜12週間の継続

多くの研究で改善が確認された期間は 8〜12週 です。“心のケア”は継続がカギ。

③ 吸収性と酸化対策に優れたサプリを選ぶ

DHAが脳に届くには、品質設計が非常に重要。

  • リン脂質型オメガ3
  • MCT(中鎖脂肪)などの吸収補助
  • 遮光・窒素充填など酸化対策

これらが揃うと、神経膜までしっかり届きやすくなります。

参考論文

1.Hamazaki K. Role of Omega-3 PUFAs in Mental Health. J Oral Science. 2019.

2.Wu SK, et al. A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Pilot Study. 2009.

3.Zhang MM, et al. The efficacy and safety of n-3 fatty acids on perinatal depression: systematic review and meta-analysis. Nature. 2020.

4.Norouziasl R, et al. Efficacy and safety of n-3 fatty acids supplementation on depression: dose-response meta-analysis. Br J Nutr. 2024.

5.Liao Y, et al. Efficacy of omega-3 PUFAs in depression: A meta-analysis. 2019.


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