薬剤師のとだ先生こんにちは、薬剤師のとだです。
月経前になると、気分の落ち込みやイライラ、むくみ、腹部の張りなど、
さまざまな不調を感じる方は少なくありません。
こうした症状の背景にはホルモン変動がありますが、近年は「炎症」や「脂質バランス」との関連も注目されています。
本記事では、PMSの基本的な理解から、クリルオイルと臨床研究、そしてオメガ3の抗炎症作用まで整理します。
この記事の「結論」!!
1.PMSはホルモン変動に伴う身体的・精神的症状の総称
2.クリルオイルに関する臨床研究ではPMS症状改善の報告がある
3.背景には、オメガ3の抗炎症作用が関与している可能性がある
1.PMS(月経前症候群)とは
PMS(月経前症候群)は、
月経前の黄体期に起こる身体的・精神的症状の総称です。
主な症状には、
・ 気分の落ち込み
・ イライラ
・ 頭痛
・ 腹部膨満感
・ 乳房の張り
・ むくみ
などがあります。


これらは主にエストロゲンやプロゲステロンの変動に伴って生じますが、
プロスタグランジンなどの炎症関連物質の関与も指摘されています。
PMSは生活の質(QOL)に大きく影響することが知られており、
薬物療法以外にも栄養的アプローチが検討されています。
2.クリルオイルとPMSに関する臨床研究
クリルオイルを対象としたランダム化比較試験では、
PMS症状の改善が報告されています(※1)。
この研究では、
情緒症状および身体症状のスコアにおいて、
クリルオイル群が対照群と比較して有意な改善を示しました(※1)。


クリルオイルは、
DHA・EPAをリン脂質型で含むオメガ3源です。
この構造が吸収や体内利用に影響する可能性が示唆されています(※2)。
研究規模は大規模とは言えませんが、
女性の周期性症状に対する脂質介入の可能性を示す報告として注目されています。あることを示唆しています。
3.オメガ3脂肪酸の抗炎症作用
オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、
炎症性メディエーターの産生経路に関与することが知られています。
EPAは、アラキドン酸由来の炎症性プロスタグランジンの産生を
競合的に抑制する方向に働くと報告されています(※3)。
また、オメガ3は炎症性サイトカインの産生を調整する作用も示されており、
慢性炎症の軽減に関与する可能性があります(※3)。


PMS症状の一部は、
こうした炎症経路と関連していると考えられており、
オメガ3摂取が症状緩和に寄与する背景と推測されています。
参考論文
※1 Sampalis F, et al. Evaluation of the effects of krill oil on premenstrual syndrome. Altern Med Rev. 2003.
※2 Ulven SM, Holven KB. Comparison of bioavailability of krill oil versus fish oil. Lipids Health Dis. 2015.
※3 Calder PC. Omega-3 fatty acids and inflammatory processes. Biochem Soc Trans. 2017.













